カイロプラクティック&オステオパシー・東洋医学等の適応症例とその解説

危険な腰腹部痛


腰腹部

虫垂炎(盲腸)

初期は腹部中央に痛みが発生し、その後右下腹部に痛みが移動する事が多くあります。腹部の右を押圧しても、左を押圧しても、右下腹部に痛みが発現する場合は、虫垂炎の可能性が大です。
尚、姿勢の変化で痛みが大きく変化する事はありません、寝ていても痛みます。

※急性の絶えがたい右下腹部痛は、急患で病院へ行きましょう。

※緊急を要しない場合(抗生物質等で一時的には止める事が出来る)は、虫垂炎を施術出来る施術院(数少と思います)で相談しましょう。

急性膵炎

急性膵炎を発病すると、膵疾患の痛みは左上腹部と左背部の激痛が発症する事が多く、ショック状態となることもあります。慢性膵炎では鈍痛や不快感を訴えることが一般的です。下痢も伴ないます、とくに慢性膵炎で多く認められます。
尚、姿勢の変化で痛みが大きく変化する事はありません、寝ていても痛みます。

※がんこな背部痛があれば膵癌も考慮する必要があります。

胆石

胆石も類似の症状を呈する事があります。胆嚢と胆管と膵管が十二指腸の同じ部位に開口しており、両者は密接に関連しています。腹痛・背部痛も伴い、下痢を伴なう事もあります。
ただし、膵疾患の痛みは左上腹部痛・左背部痛を、胆石などの胆道系疾患では右上腹部痛・右背部痛を示すことが多い様です。
尚、姿勢の変化で痛みが大きく変化する事はありません、寝ていても痛みます。
食事の内容も症状の出現に関係しており、脂っこい食事や卵等のたんぱく質の多い食事で症状が出やすくなります。

尿管結石

非常に強い腰背部痛が起りますが、全身状態がそれほど悪くない時は、尿管結石が疑われます。
尚、姿勢の変化で痛みが大きく変化する事はありません、寝ていても痛みます。
この疾患の診断には検尿と腹部エコーが有効です。通常、検尿で潜血反応陽性、沈渣鏡検査で赤血球多数、エコーでは水腎が認められます。又、尿潜血陰性でも尿管結石という事もあります。



腰背部

椎間板炎・椎体炎

どれも、発熱を伴って腰背部に強烈な痛みが起ります。細菌の感染が原因と云われています。悪化すると生命の危険が伴ないます。高齢者や糖尿病等の免疫力の低い方は特に要注意です。

化膿性脊椎炎・脊椎カリエス

共に、腰背部痛・腹痛・下痢・発熱の症状があり、その後、腰背部痛以外は消失し、強い腰背部痛のみが持続する。特には急激に始まる激しい腰背部の痛みと発熱が特徴です。患部をたたくと非常に痛みます。
共に起炎菌が血行性に脊椎終板直下の骨幹端に感染し、そこから椎間板を介して上下の椎体へと感染が広がるものと考えられます。MRIでは椎間板の破壊による厚みの減少と、隣接する椎体の異常信号、傍脊椎軟部腫瘤の形成が主な所見として認められます。又、脊椎カリエスに比較的特徴的な所見としては破壊された椎間板が胸椎の強調画像にて高信号を示さない事と、傍脊椎領域に上下に細長い膿瘍(流注膿瘍)を形成しやすい事があります。

転移性脊椎腫瘍

初期症状は腰背部(側胸部痛=肋間神経痛)が出現し、しだいに胸髄圧迫により下肢痙性さらに下肢弛緩性完全麻痺に至ります。
腰背部の初期では、体を動かす時に増悪し、安静により軽快する腰背部痛で始まるが、間もなく増悪の一途をたどり、安静時でも激しい腰背部痛を覚えるようになります。この経過は病巣の拡大進展の早さとほぼ一致し、やがて馬尾神経を圧迫し、下肢の知覚運動障害を生じ、末期には完全麻痺に至ることは珍しくありません。
複数の椎体がおかされている場合でもその間の椎間板が保たれていることが多く、又、椎体だけでなく椎弓などの後方要素がおかされる事が多いという特徴があります。

脊髄髄内腫瘍

発生した部位により症状は異なりますが、ゆっくり進行する頸部・背部・腰部の疼痛、上肢・下肢の運動麻痺や知覚障害、膀胱・直腸障害などが認められます。
脊髄実質内に発生する腫瘍で、神経膠腫・上衣腫・血管芽腫等があります。脊髄内に空洞を形成し、空洞による症状を認める事もあります。悪性度の低い腫瘍では手術で全摘出する事ができますが、悪性度の高い腫瘍では化学療法等の追加療法が必要となるります。

脊髄硬膜内髄外腫瘍

頸部・背部・腰部の疼痛に加え、腫瘍の発生部位に一致した感覚障害・運動障害や膀胱障害・直腸障害を認めます。髄内腫瘍に比べ、症状に左右差を認める事が多いようです。
脊髄実質の外側で、脊髄を包んでいる硬膜の内側に発生します。脊髄神経から発生する神経鞘腫と、脊柱管硬膜から発生する髄膜腫が大部分を占め、共に良性腫瘍であるため手術的に摘出する事により根治可能です。

脊髄硬膜外腫瘍

椎体の圧迫骨折による局所の激痛と、それに伴う両下肢の対麻痺を来す事があります。
硬膜外腫瘍の多くは、肺癌・乳癌・前立腺癌などからの転移性腫瘍によって発症します。悪性腫瘍では症状の進行は比較的急速で、転移性腫瘍に対しては、早期に脊髄の減圧を行います。特に脊椎の圧迫骨折は緊急手術の適応となります。

多発性骨髄腫

腰背部痛と、急速に進行する両下肢の麻痺を伴ないます。脊髄は腫瘍により押しつぶされています。緊急減圧術と、圧迫骨折に備えて脊柱管固定術が行われます。

脊髄動静脈奇形

髄内型と硬膜型)の二種類があります。
出血や脊髄の虚血症状により上下肢の疼痛や運動障害・感覚障害の原因となります。
動静脈奇形は血管の発生段階における先天的異常により、毛細血管を経ずに動静脈が吻合したもので、間にナイダスと呼ばれる血管塊を形成するものと、動脈から静脈に直接血液が流入する動静脈瘻を形成するものがあります。
脊髄血管撮影によりいくつかのタイプに分類され、レントゲン透視下にナイダスを選択的に詰めてしまう「超選択的塞栓術」、または手術的摘出術が行われます。
 

髄内型

突然の腰背部と対麻痺が起きます。 MRIでは脊髄内にナイダスと呼ばれる血管の塊が認められます。
 

硬膜型

上肢の知覚障害と筋力低下にて発症します。血管撮影では動静脈瘻を形成しており、場合により手術にいたります。

強直性脊椎炎

症状として、炎症部位の疼痛や腫脹、発熱、発赤(ほっせき)、そしてそれに伴う機能障害(運動制限など)などが見られます。(リューマチとよく似ています)
原因不明の炎症性疾患で、脊椎・仙腸関節・四肢等の関節を侵す慢性炎症性疾患です。 10~30歳代の男性に多く発症します。
このように靭帯の骨への付着部の炎症の結果、そこに強い変性が起こり、それが元の組織(靱帯や腱など)に再生されることなく、石灰化(カルシウムなどの無機質の沈着)もしくは骨化が惹起され、最終的には、関節を構成する骨どうしが骨組織でつながり「関節の強直」と言う事態が起こると考えられています。
関節をつなぐ靱帯や筋肉の腱の骨への付着部というのは全身に広く分布していますので、そこに炎症が起こる訳ですから、患者さんは、どこの関節の痛みを訴えてもおかしくなく。また、痛みのための反射的・二次的な筋肉の痙撃(けいれん)なども加わる為、患者さんにとっては関節痛や筋肉痛の様に思いがちです。

ギックリ腰

急性の腰痛を総称して、ギックリ腰と云います。

ギックリ腰(急性腰痛)は絶対に温めないで下さい。もし温めてしまうと、炎症が増大して痛みもより増大してしまいます、激痛で病院に行く事さへ困難になってしまいます。出来るだけ早く氷嚢で冷やす事が大切です。(約15分程度冷やし、10分間休むを3回位繰り返します)

※ギックリ腰の原因と程度により、重症な場合は急患で病院へ行く場合と、安静にして1日~3日で痛みが消失するものまで様々です。痛みの原因は、全て急性による損傷が原因で起こりますが、そのほとんどが腰の骨が歪んで入る事に起因します。

※損傷した部位によって痛みは異なります。

ギックリ腰の原因


急性腰椎亜脱臼

腰の一部分に痛みが起こります、前屈も腰を反らす時も痛む場合があります。
中腰で咳をしたり、物を持った状態で捻った時に多発します。腰の骨と骨をつないでいる関節が少しズレ(亜脱臼)て、その周辺に炎症が発生して起こります。

筋肉または筋幕の損傷

左右どちらかの筋肉(起立筋など)に沿って痛みます。
不自然な姿勢で物を持ったり、不意の動作で起こります。腰の骨の左右にある筋肉や、その筋肉の筋膜が傷ついたり、一部分が切れた場合いに起こります。

骨盤痛

仙腸関節の捻挫など
左右どちらかのお尻から腰に痛みが発生します。 寝起きの時と、座っていて立つ時などの動作でビキッと痛みます、又、重症の場合は痛い側に体重を架けると激痛が起こる事もあります。
中年以上の方で、左右どちらかの骨盤の関節(仙腸関節)がずれた場合に起こります。
※捻挫を起している仙腸関節に強い力を加えると痛みが増悪する場合が多々有ります、又、腰のの牽引も増悪します。(他の施術院で強い矯正を受け続けて、1年半も施術院を転々とされた患者さんがおられました。)強い矯正をせず仙腸関節を安定さす事ができる施術院を探しましょう。又、骨盤ベルトも有効です。

臀部痛

梨状筋痛など
左右どちらかのお尻に痛みがでます。お尻の左右にある梨状筋が緊張して痛みが起こります。
骨盤が傾いている方に多いようです。

靭帯の損傷・断裂

腰の一部分に激痛が発生します。
スポーツ等で、特に大きく捻じった時にまれに発生します。腰の骨と骨をつないでいる靭帯の一部が損傷した場合や、完全に断裂した場合に起こります。

椎間板損傷

腰の一部分に激痛が発生します。
特に重い物を持上げた場合に起こります。 腰の骨と骨の間にある椎間板という軟骨がつぶされた場合に起こります。

急性の椎間板ヘルニア

腰から足にかけて熱く痛みます、シビレを伴う場合もあります。特に腰を丸めると増悪します。
特に重い物を持上げた場合にまれに起こります。 腰の骨と骨の間にある椎間板という軟骨が重圧でつぶされて、その軟骨の変形により脊髄神経や神経根を圧迫した場合に起こります。

※ほとんどの急性椎間板ヘルニアは、信頼できるカイロプラクティック等の施術院で改善します。しかし、時間がかかる場合があります。

圧迫骨折

特に重い物を持上げた場合に、背骨への重圧で骨が押しつぶされて起こります。骨粗鬆症の方や中高年の方に多発します。
寝起きする時に痛みが増悪します、一度立ち上がると痛みは軽減しますが、上半身を捻ると腰や背に痛みが発生します。初めての圧迫骨折は病院でのレントゲンで確認できることはまれであり、骨には異常無し言われる事が殆どです。(脊椎圧迫骨折の項を参照の事)

急性腰椎分離症

スポーツ等で激しく反る動作や腰をネジル動作で腰の骨の前部と後部とが引き離されて発症します。分離した直後は激痛で動く事もできません。慢性になると腰が貫けるような痛みが起こります。(腰椎分離症の項を参照のこと)

急性腰椎すべり症

腰を強く反ったり、不自然な姿勢で重い物を持った時に発症します。
腰が貫ける様な痛みが発生します。 ひどい場合は足にシビレが出る場合もあります。
腰の骨の1つが前方にずれて起こります。(腰椎滑り症の項を参照の事)

※上記によるギックリ腰は、信頼できるカイロプラクティック等の施術院へ行きましょう。

※尚、危険な腰腹部痛の項も参考して下さい。(危険な腰腹部痛の項参照の事)

慢性腰痛

腰と骨盤の歪み

腰の骨や骨盤が歪んで関節や筋肉に負担が架かって痛みが出ます。又、中腰で仕事をされる方も多発します。

変形性腰椎症

長年の腰の骨の歪みや過去の腰痛が原因で、骨が変形して腰痛が発症します、中高年の方に多発します。

※慢性の腰痛は、信頼できるカイロプラクティック等の施術院へ行きましょう。

腰椎分離症・分離すべり症

腰が抜ける様な痛み、腰を反ると痛む、起立時や歩行時に痛む、又、腰を丸めると楽になる等、の症状をともないます。
分離症の原因は、以前は生まれつきか、成長過程で骨の形成がうまくいかず起こると考えられていましたが、現在ではスポーツなどによる腰を捻じる動作が繰り返されて、骨に負担が加わった事が原因で起こる、疲労骨折と考えられています。
小中高校生で腰痛を経験している方が多く、特にスポーツの経験がある方が多くおられます。しかし、全く無症状でレントゲンにて分離症が映っている方もおられます。
又、急性の場合は、スポーツ等で激しく反る動作や腰をネジル動作で発症します。分離した直後は激痛で動けません。

※当院の患者さんで、野球やソフトボールの経験者に多くおられます。特にキャッチャーが多いようです。中腰に起因しているのかも?

※分離症の殆どは手術せずに症状を改善する事ができます。又、患者さんの中には分離した腰椎が融合し完治する方もおられます。

※手術する前に、信頼できるカイロプラクティック等の施術院で相談して下さい。

腰椎滑り症

腰が抜ける様な痛み、腰を反ると痛む、起立時や歩行時に痛む、又、腰を丸めると楽になる等、の症状をともないます。(分離症と類似の症状)
滑りがひどくなると、臀部から足に痛みやシビレが発症する事もあります。
腰椎の分離を伴う場合と、加齢により関節の変形で起こる事もあります、又、まれに関節の奇形によるものなど原因は様々です。

※滑り症の殆どは手術せずに症状を改善する事ができます。しかし、関節の奇形による場合は手術に至る場合もあります。

※手術する前に、信頼できるカイロプラクティック等の施術院で相談して下さい。

腰椎椎間板ヘルニア

腰から臀部や大腿部後方・膝の外側から指にかけて痛みやシビレが発生します。その他に仰向けで足を上げると臀部に痛みが誘発する・膝を伸展しにくい・足首の屈曲や伸展がしにくい為に蟹股で歩行する・足先が凍る様に冷たい、等があります。(重症の場合は臀部から大腿後部に焼け火箸を突っ込まれた様な激痛が起こります)

※慢性腰痛を放置した結果、ヘルニアになる方が多い様です。

椎間板とは

背骨の上下の椎体の間にある円盤状の軟骨です。その中央に随核と呼ばれるゼラチン状の柔らかい塊があり、これをとりかこむように繊維性軟骨の層が何重にも重なり合って繊維輪と呼ばれる周辺部を形成しています。

ヘルニアとは (飛出す事を意味します)

腰を丸めた状態や腰の骨が歪んでいると、椎間板の前方が圧迫されて徐々に繊維輪と随核が後方へ移動し突出します。その後方にある脊髄神経や神経根を圧迫して神経障害を起します。

椎間板ルニアの種類
(坐骨神経痛の原因になる)

  1. 外側性ヘルニア(改善する可能性が大きい)
    脊髄神経から左右へ枝分れした神経根の外側を圧迫します(痛む側と反対側に体を傾けると少し楽になる)
  2. 内側性ヘルニア(改善する可能性は大きいが時間がかかる)
    脊髄神経から左右へ枝分れした神経根の内側を圧迫します(痛む側に体を傾けると少し楽になる)
  3. 中心性ヘルニア(改善する可能性はあるが多大な時間がかかる、改善しない場合も多い)
    椎間板が真後ろに飛出し脊髄神経本体を圧迫します(腰を丸めると痛みは増悪する)

※椎間板ヘルニアのほとんどは施術で改善できます。 手術する前に、信頼できるカイロプラクティック等の施術院で相談して下さい。

坐骨神経痛

症状は椎間板ヘルニアと類似しています。(椎間板ヘルニアの項を参照の事)

原因は、椎間板ヘルニア・腰椎(腰の骨)の変形・梨状筋(お尻の筋肉)による神経圧迫などに起因します。

※坐骨神経痛のほとんどは施術で改善できます。あきらめずに、信頼できるカイロプラクティック等の施術院で相談して下さい。

腰部脊柱管狭窄症

高齢で腰が丸まっていつも前かがみになる方にみられる疾患で、歩行時に次第に足のふくらはぎにだるさや痛み、シビレが出てきます、しかしその場で2~3分休むとまた歩け、歩くとまただるくなるを繰り返します。又、足の指が白くなったり紫色になる事もあります。尚、慢性的な腰痛や臀部に痛みや違和感が出る事もあります。
長期間放置すれば、足の筋力低下の為、歩行困難や、排便や排尿の障害(直腸膀胱障害)をきたすこともあります。
(注)若年層でも、腰の丸まった方に同等な症状が出ますが、狭窄症の可能性は少なく、坐骨神経障害の一部と思われます。

※最悪の場合は、狭くなった管を拡大する為の手術が必要となります。

※脊柱管狭窄症に対する施術は危険が伴いますので、きつい矯正をする施術院は避けて下さい。必ずレントゲンが影読できる、オステオパシーや経絡、体操療法を取り入れている施術院で相談して下さい。しかし、狭窄がひどい場合は病院での手術をおすすめ致します。



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